廃棄物マネジメントハンドブック
978-4-900830-05-9
¥53,350 (税込)
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- 発行所:(株)エヌ・ティー・エス
◆ 書籍概要 ◆
原書 『Abfallwirtschaft ? Eine Einfuhrung』(1994年) Springer ? Verlag(独)
原書著者 Prof.Dr.Bernd Bilitewski/Dipl-ing.Georg W.Hardtle/Dipl-ing.Klaus A.Marek
ドイツにおける廃棄物の回収、処理、リサイクルなどを総合的にまとめたハンドブック。
廃棄物削減のための提案や処理施設の経済性、土壌汚染等の環境汚染対策も解説。
発刊日:1996年4月20日
頁 数:600頁
造 本:B5
発行所:(株)エヌ・ティー・エス
ISBN :978-4-900830-05-9
■総監修 監訳 【総監修】 花嶋 正孝 福岡大学大学院工学研究科科長/廃棄物学会会長 【監訳】 島岡 隆行 福岡大学工学部土木工学科助教授 樋口壮太郎 日本技術開発(株)水工本部環境施設部次長 堀井 安雄 (株)クボタ上下水プラント技術第2部技術課副部長 ■主な目次 1 廃棄物管理の手引き 2 廃棄物 3 廃棄物の収集、有価物の回収、積み替え及び輸送 4 廃棄物の処理と処分 5 廃棄物のリサイクル 6 廃棄物回避の可能性 7 土壌汚染 8 廃棄物処理施設の経済性評価 9 廃棄物処理のトータルシステム―将来をにらんで
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第1章 廃棄物管理の手引き 第1節 廃棄物管理の歴史 第2節 環境政策の原理と対策 1.基本的理念 2.環境政策の手段 第3節 法的な基礎 1.一般事項 2.廃棄物法 2.1 日標 2.2 概念規定 2.3 廃棄物処理の整備 2.4 回避 3.特別廃棄物技術指針 4.一般廃棄物技術指針 5.廃棄物法のための法通達 6.廃棄物処理施設の認可 7.環境適合法 8.循環経済法 8.1 内容 8.2 改正法の草案についての論評 9.環境保証 9.1 環境保証法(UHG) 9.2 環境リスクマネジメント 第2章 廃棄物 第1節 廃棄物の定義 第2節 廃棄物の排出量と廃棄物の組成 1.家庭ごみ、粗大ごみ、家庭ごみに類似する事業系廃棄物 2.産業廃棄物 3.包装条例 4.特別廃棄物 5.廃車と廃タイヤ 6.電子廃棄物 7.汚泥処理 8.建設廃棄物 8.1建設廃棄物の発生 第1節 実施体制組織 第3節 家庭ごみ、粗大ごみ、産業廃棄物の組成分析に影響を与える要因 1.家庭ごみ、粗大ごみ、産業廃棄物の構成による影響要因 2.素材別のごみ組成 3.物質量の変動 4.密度と含水率の変動 5.ごみの粒度 第3章 廃棄物の収集、有価物の回収、積み替えおよび輸送 第1節 実施体制・組織 1.収集システム 1.1 収集方式 1.1.1 反転積み込み方式 1.1.2 交換コンテナ方式 1.1.3 袋収集方式 1.1.4 システム化されていない収集 1.1.5 特別輸送方式 1.2 容器形式 1.2.1 ごみバケツとごみタンク 1.2.2 大型ごみ容器とごみコンテナ 2.積み替え 2.1 配送 2.2 選別 2.3 輸送手段への廃棄物の積み降ろし 2.4 積み替え施設の計画策定と建設 3.輸送システム 3.1 自動車による廃棄物輸送 3.1.1 収集車両の積み込み装置 3.l.2 収集車両内の圧縮装置 3.1.3 大規模輸送車両 3.2 鉄道によるごみ輸送 3.3 水路によるごみの輸送 第2節 固形廃棄物と有価物 1.デュアルシステム 2.家庭ごみと粗大ごみ収集の組織 3.家庭ごみからの有価物の回収 3.1 分別しない回収 3.2 家庭からの資源ごみの分別回収 3.2.1 共同回収システム 3.2.2 個別回収システム 3.2.3 住民の参加 第3節 液体廃棄物と汚泥 1.路上運搬車による輸送 2.積み込みと排出 3.容器システム 第4節 特別廃棄物 1.基本法則 2.容器システム 2.1 固形もしくは汚泥状の特別廃棄物の容器 2.2 液体および汚泥状の特別廃棄物のための容器 3.集積所と中継保管地 4.家庭からの少量の特別廃棄物 第4章 廃棄物の処理と処分 はじめに 第1節 管理された最終処分場 1.最終処分場の分類 1.1 最終処分場の形状 1.2 運営形態 2.最終処分場の立地条件 2.1 規定およびガイドライン 2.2 立地に関する要求 3.最終処分場の設備、建設、運営 3.1 しゃ水工 3.l.1 複合的なしゃ水工(クラスⅡ最終処分場) 3.1.2 無機質によるしゃ水工(クラスⅠ最終処分場) 3.1.3 表面しゃ水 3.1.4 合成素材によるしゃ水と鉱物性しゃ水材において考えられる問題点 3.2 浸出水の集水と処理 3.2.1 浸出水の水分状況と質 3.2.2 集水と処理設備の技術内容 3.2.3 浸出水の処理 3.3 処分場のガス抜き 3.3.1 ガスの収支 3.3.2 ガス捕集設備の技術内容 3.3.3 ガス処理 3.3.4 処分場からのガス使用の可能性 3.3.5 処分場のガス燃焼 3.4 処分場の操業 3.4.1 操業中の汚染 3.4.2 衛生害虫による被害 3.5 再緑化 3.5.1 再緑化方法 3.5.2 再緑化後の処分場の利用 4.特別廃棄物最終処分場の必要条件 4.1 地上式処分場 4.1.1 立地場所に関する要求 4.1.2 処分場のしゃ水システム 4.1.3 処分場表面のしゃ水システム 4.1.4 処分場含有物の反応 4.1.5 埋立廃棄物の特徴に対する要求 4.1.6 操業実施にあたっての要求 4.2 岩塩坑内処分場 4.2.1 立地に対する要求 4.2.2 集積すべき廃棄物の特徴に関する要求 4.2.3 操業実施に対する要求 第2節 熱処理 1.家庭ごみおよび営業ごみの燃焼施設(MVA) 1.1 旧式のごみ燃焼施設の構造 l.2 ごみの受け入れ 1.3 貯留・前処理・投入 1.4 ストーカ式燃焼における燃焼過程 1.4.1 ストーカ燃焼システム 1.4.2 流動床燃焼方式 1.4.3 焼却灰、飛灰の溶融施設を付帯した燃焼施設 1.5 燃却灰の排出 1.6 ボイラーと廃熱 1.6.1 設計基準 1.6.2 型式 1.6.3 燃焼室における浸食と腐食 1.1.6 廃熱利用 1.7 排ガス処理 1.7.1 排ガス量と構成 1.7.2 粒子状物質の除去 1.7.3 排ガス中の汚染物質の物理・化学的処理 1.7.4 酸性有害ガスの除去 1.7.5 NOxの除去 1.7.6 ダイオキシンとフラン 1.7.7 燃焼ガス処理に伴うコークス、灰、残渣の処理 1.8 運転と制御 2.特別廃棄物用の焼却装置 2.1 貯留、前処理、投入 2.2 焼却炉 3.その他の廃棄物の焼却 3.1 沈殿汚泥の焼却 3.2 わらと木材の焼却 3.2.1 わら 3.2.2 木材 4.廃棄物のガス除去、ガス化(熱分解) 4.1 乾留 4.1.1 投入物と乾留生成物 4.l.2 製品の販売方法 4.2 ガス化 4.2.1 廃棄物のガス化の基本 4.2.2 投入物質とガス化生成物 4.2.3 生成物の販売法 4.3 環境面の考察 4.3.1 熱分解ガス 4.3.2 熱分解廃水 4.3.3 固形残渣 4.3.4 有害有機物 5.水素化と加水分解 6.乾燥処理法 6.1 汚泥の乾燥方法 6.1.1 コンタクトドライヤー 6.1.2 対流ドライヤー 6.1.3 汚泥乾燥法 6.2 その他の乾燥装置 第3節 生物学的処理 1.コンポスト 1.1 コンポストの基本的条件 1.1.1 廃棄物組成の条件 1.1.2 操作条件 1.1.3 生物学的な条件、分解におけるエネルギー代謝 1.1.4 放出 1.2 有機性廃棄物のコンポスト施設の構造 1.2.1 廃棄物の搬入、貯留、運搬 1.2.2 有機性廃棄物の選別 1.2.3 コンポスト技術 1.2.4 細選別/規格化 1.3 硬質な廃棄物の腐敗 1.1.3 有機性廃棄物のコンポスト化 1.3.2 汚泥のコンポスト化 1.3.3 残渣の分解 1.4 最終生成物の商品化 1.4.1 コンポストの品質 1.4.2 コンポストの利用と市場性 2.嫌気性の処理方式 2.1 嫌気性発酵の基礎 2.1.1 生化学的現象 2.1.2 基質 2.1.3 処理因子 2.2 応用処理 2.2.1 乾燥発酵 2.2.2 湿式発酵 2.2.3 二段湿式発酵 2.3 最終生成物 2.3.1 バイオガス 2.3.2 コンポスト 2.4 排出 2.4.1 排気 2.4.2 排水 第4節 物理・化学的処理 1.エマルジョンの分離 1.1 エマルジョンの物理・化学的処理 1.2 エマルジョンの熱処理 2.蒸留と蒸発 3.中和 3.1 アルカリ性排水と汚泥の中和 3.2 中和処理 4.無害化 4.1 クロム塩酸による無害化処理 4.2 シアン化合物の除去 4.3 亜硝酸の除去 5.有価物の再回収 6.物理・化学的処理施設の例 第5章 廃棄物のリサイクル はじめに 第1節 選別技術の基礎 1.破砕 1.1 ハンマーミル 1.2 衝撃破砕機(インパクトクラッシャー) 1.3 切断ミルと回転刃 1.4 カスカーデミル 1.5 フィルター裁断機 1.6 顎型破砕機(ジョークラッシャー) 2.分類 2.1 分級 2.2 風力分離機 3.選別 3.1 磁力分離機 3.2 旋回分離機 3.3 光学分類機 3.4 浮選 3.5 比重選別 3.6 手選別 4.圧縮 4.1 ボールプレス 4.2 その他の圧縮方法 第2節 選別プロセス 1.二次原材料の収集・使用プロセス 1.1 家庭ごみのリサイクル 1.2 家庭ごみ類似の事業系廃棄物のリサイクル 1.3 建設廃棄物のリサイクル 1.3.1 選別および再利用の技術水準 1.3.2 リサイクル製品使用の可能性と限界 1.3.3 再利用を増加させる要因 1.3.4 組織的解体 1.4 廃車のリサイクリング 1.5 廃タイヤのリサイクル 1.5.1 加硫によるタイヤ再生 1.5.2 廃タイヤ粉砕方法 1.5.3 熱利用 1.6 電子機器ごみのリサイクル 1.7 冷却機器のリサイクリング 1.7.1 フロンの問題点 1.7.2 リサイクルの基本 1.7.3 リサイクルの方法 1.7.4 フロンの選別 1.8 特別廃棄物のリサイクリング 2.燃料回収方法 2.1 廃棄物固形燃料(BRAM) 2.2 炭素沈積実験 2.3 木材切断破砕 2.4 紙固形燃料(BRAP) 第3節 リサイクルされた製品の商品化 1.全般的な注釈 1.1 市場分析 1.2 製品の販売と販売効率のパラメータ 1.3 売上に対する助成の可能性 2.紙、紙製品 2.1 品質に村する要望 2.2 収益 3.廃ガラス 3.1 品質要求 3.2 収益 4.鉄くず 4.1 品質要求 4.2 収益 5.プラスチック 5.1 品質要求 5.2 収益 6.コンポスト 6.1 品質要求 6.2 収益 7.第二次建材 7.1 品質要求 7.2 収益 8.アスファルト 8.1 品質要求 8.2 収益 第6章 廃棄物回避の可能性 はじめに 第1節 廃棄物回避の総括的条件 1.概念の定義 2.廃棄物回避へのさまざまな当事者の影響 2.1間接当事者の措置 2.1.1 命令と禁止 2.1.2 経済政策的方策 2.1.3 広報活動 2.2 直接当事者 2.2.1 製造業 2.2.2 商業 2.2.3 家庭とサービス業部門 第2節 家庭ごみの回避 1.家庭における廃棄物回避の方法 2.廃棄物回避措置を伴う実際の経験 2.1 ベルリンにおける排出抑制モデル 2.2 ハンブルグ・ハーブルグにおけるモデル実験 2.3 モデル実験は一般的に広められるか、そしてその場合の達成可能な削減率の予測 2.4 緑の週間のような一大イベントの場合のごみ抑制 2.5 ごみ削減による省エネ 2.6 ごみ回避は商品選択にも経済にも影響を及ぼす 第3節 特別廃棄物の回避 1.実施手段 2.技術的可能性 2.1 廃棄物の出ない製造方法(プロセスの改善) 2.1.1 化学工業における廃棄物回避の方法 2.1.2 アルカリ塩電気分解による廃棄物排出を抑えた方法 2.1.3 鉱油製品製造における廃棄物回避 2.1.4 金属製造の際の廃棄物排出回避 2.1.5 金属の表面処理および加工での廃棄物排出抑制 2.1.6 塗装施設での廃棄物排出回避および再利用 2.2 特別廃棄物の施設内における再利用 3.産業での特別廃棄物排出削減の効果 3.1 調査の主旨 3.2 工場(産業分野)での特別廃棄物排出回避に向けての調査の結果 3.2.1 特別廃棄物量の増加 3.2.2 特別廃棄物を削減するための理論上の可能性 4.産業による残留物削減の可能性 4.1今までに生じた残留物量 4.2 残留物削減の可能性 4.3 残留物削減のための潜在能力の発揮 第7章 土壌汚染 第1節 原因と定義 第2節 土壌汚染の規模と危険性の算定 1.土壌汚染の疑いがある土地 2.土壌汚染による環境汚染の危険性 3.法律上の問題 第3節 実状の把握、調査、評価 1.実態調査 2.情報の収集 2.1 資料の評価 2.2 地図や航空写真の解釈 2.3 バイオアッセイによる情報収集 2.4 地球物理学的探査法 2.5 地下水の調査 2.6 土壌ガスの調査 3.危険の可能性の算定と評価 3.1 極限値の問題点 3.2 評価方法 第4節 汚染修復技術 1.生物学的汚染修復方法 1.1 オンサイト方式 1.2 インサイト方式 2.物理・化学的汚染修復方法 3.熱処理方式 4.水理学的汚染修復方法 5.土壌中の空気の吸引ろ過 6.カプセル方式 7.固定と固化 第8章 廃棄物処理施設の経済性 第1節 廃棄物処理の経済比較 1.焼却施設 1.1 焼却施設のコスト 1.2 焼却施設の運転コスト 2.選別装置 2.1 家庭用および産業用の廃棄物選別装置 2.2 古紙分別収集の選別コスト 3.埋立処分 3.1 最終処分場の建設コスト 3.2 最終処分場の運転コスト 第2節 廃棄方式の経済比較 1.埋立処分の回避 2.処理システムの給コスト 3.実質処理コスト 第9章 廃棄物処理のトータルシステム-将来をにらんで はじめに 第1節 廃棄物処理システムの目標 第2節 現状把捉 第3節 廃棄物処理の可能性と方法の評価 第4節 廃棄物処理案(計画) 第5節 組織、財政、法律上の処置 第6節 実際の基準に従ったごみ料金の改定 1.従来の料金システム 2.新しい料金システム あとがき 用語一覧 参考文献 索引
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【総監修者】 花嶋 正孝 福岡大学大学院工学研究手科科長教授/廃棄物学会会長 【監訳者】 島岡 隆行 福岡大学工学部土木工学科助教授 樋口壮太郎 日本技術開発(株)環境施設部次長 堀井 安雄 (株)クボタ上下水プラント技術第2部主任技師副部長
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推薦の言葉 資源に乏しいわが国は世界中からさまざまな資源を輸入し、これらを加工・製品化し、輸出することによって繁栄してきた。 しかし、その繁栄の見返りに大量の廃棄物が排出されることとなった。また、国土が狭いわが国は、最終処分場の確保がきわめて困難であり、このためリサイクルや焼却処理等の推進により埋立廃棄物の量を少なくする努力をしてきた。しかし、廃棄物問題は次第に社会問題化し、廃棄物の出ないリサイクル社会の構築の気運が高まってきた。特に、この数年、廃棄物処理法の改正をはじめとして、最近では容器包装リサイクル法の制定などわが国の廃棄物処理の方向は大きな転換期を迎えている。 このようななかで、このたび、福岡大学の花嶋教授をはじめとするグループにより、ドイツの廃棄物ハンドブックともいうべき「Abfallwirtshaft」が完訳された。 ドイツはデュアルシステムにみられるように廃棄物問題への取組みを積極的に行っており、技術基準では1991年の特別廃棄物技術指針(T.A Abfa11)と1993年の一般廃棄物技術指針(T.A Siedlungsabfall)は、厳しい処理基準として世界の注目を集めている。 その特徴をここに記すと、 ・ドイツの廃棄物処理の歴史、環境政策、法律の基礎が示されている。 ・ドイツの廃棄物の定義、排出量、組成およびその変動要因について示されている。 ・廃棄物の収集、輸送、有価物の回収方法が廃棄物の種類別に紹介されている。 ・廃棄物の焼却、破砕、選別、コンポスト、最終処分等の処理処分技術が最新技術を交え紹介されている。 ・リサイクルされた製品の商品化について、その要件が述べられている。 ・廃棄物の回避について、種類別にその方法が具体的に紹介されている。 ・わが国においても、最近問題化している土壌汚染とその修複技術について紹介されている。 ・将来の廃棄物処理のコンセプトについて述べられている。 このような廃棄物全般にわたって興味深い事例を多く盛り込んだハンドブックは、ドイツと日本の国情の違いを差し引いても大変有益であり、廃棄物を勉強する学生はもちろん、企業や研究者あるいは行政の方々にとっても良い参考書となるであろう。 1996年4月 厚生省生活衛生局水道環境部長 坂本 弘道 序文 これまでわれわれの社会は、消費することに経済基盤をおき、生産を維持するため意図的に消費を奨励し、できるだけ毎年消費を増加させなければならなかった。このような社会では廃棄物が発生し、この廃棄物の問題に対処する方法について十分な知識がなければ、われわれの社会は砂の上に造られた家屋のようなものである。 約5年前、“Abfallwirtschaft”の初版が発行され、それ以来この本は廃棄物を管理する技術者やその分野の人々の唯一のガイドブックとなった。この本は将来のニーズや可能性について伝えることを目的とし、産業従事者や大学で教育を行ううえで必要とされていたものであり、廃棄物問題の技術的対処の手引書として当局によって必要とされたものではない。 初版が発行されてから、ドイツおよびヨーロッパの社会や政治の中で、リサイクルや廃棄物回避に対する姿勢が明らかに変化してきた。われわれは産業従事者のために本書で最新の見解を紹介し、リサイクルや廃棄物回避技術について強調した。これは、将来の経済活動は環境を破壊せずに発展させなければならないというヨーロッパの人々の多くが抱いている意見を反映させるためである。 読者は本書から、家庭ごみ・産業廃棄物および有害廃棄物の収集や処理法に関して、技術・経済的解決策を見いだすことができるであろう。産業廃棄物の流れを変えることや、廃棄物の極小化を行うことは技術別に示してある。ドイツ政府は新たな法律を制定し、生態学的に安全な生産を目指して経済の立て直しを試みている。これはすぐにほかのヨーロッパ社会が追随することになるだろう。本書には、産業や社会における経済原則である“外部環境コストの内面化(internalization of external environmental cost)”が示されており、原料の回収や廃棄物の影響が示してある。 環境問題に国境はなく、ひとつの大陸にとどまるということはない。“Abfallwirtschaft”が日本語に翻訳され、近いうちにアメリカのチームによって英語に翻訳されることは非常に喜ばしいことである。われわれの観点から、このような問題を解決するには、世界的な協力があって初めて達成されるものであると考えている。次世 代の人々が暮らしやすい未来を築くためにわれわれが必要としているのは、技術者の十分な知識、優秀な科学者、賢明な政治家である。われわれは、日本で多くの読者が本書に興味を抱いてくれることを願っている。 1996年2月 Prof.Dr.Bernd Bilitewski Dipl-Ing.Georg Hardtle Dipl-Ing.Klaus A.Marek 発刊のことば 20世紀もあと余すところ数年になった。今世紀の半ばより世界の経済は急速な発展を遂げる半面、地球の環境を破壊しつづけてきた。 現在、地球環境問題は、温暖化の進行、オゾン層の破壊、酸性雨による森林・土壌の荒廃、有害廃棄物の越境移動等いずれも何らかの形で廃棄物に関係している。この廃棄物問題は地球環境問題のフロント(最前線)でもあり、最後のフォート(砦)でもあると言える。 日本では産業の発展により、それらから排出される廃棄物の量は今や年間4億tの多きに達している。それに伴い、廃棄物の不法投棄等による社会の環境に及ぼす影響は計り知れず、企業の倫理や道徳観、環境保全への取組みに消費者が注目をし始めだした。 日本より早く現代文明の行詰まりに気付いたヨーロッパの事例として、スウェーデンの自動車産業の事例を示そう。1990年5月スウェーデンの自動車メーカーが日本経済新聞に、「わが社の自動車は、公害と騒音、廃棄物を生みだす。」というタイトルで全面広告を出し、自動車業界に大きな衝撃を与えた。1995年1月の日本経済新聞は、「資源多消費型の自動車文明を超えて」という社説の中で、「同自動車メーカーは、自動車は便利な商品だが、一面環境破壊の加害者であることを率直に認め、低公害車の開発、部品リサイクル化に積極的に取り組まなければならないと決意を表明した。また同社は1995年6月以降販売する全車種にらいて、生産から廃棄までの間に排出するCO2や窒素酸化物等の数量を数値で示し、廃棄の場合、鉄、アルミ、プラスチック等の素材のリサイクル率、最終に廃棄される素材に有害物質が含まれているかどうかなどについても分かる環境仕様書をユーザーに提供すると発表した。」と述べられていた。このように率先して安価で高品質という既成の価値観に、新しく環境に対する負荷の低減というもう一つの物指しを示したヨーロッパの先見性は大いに敬意を払わねばならない。 このような社会環境の中で、Bernd Bilitewski博士、Georg W.Hardtle、Klaus A.Marek両氏が執筆した“Abfallwirtschaft”は、廃棄物回避から廃棄物の処理・処分と再利用にまで及んだ総合的・今日的な内容を含んだ廃棄物ハンドブックである。環境を破壊することなしに将来の経済が持続的に発展を続けねばならないというヨーロッパの主張を踏まえ、リサイクルや廃棄物を排出しない技術までも含めた本書は、これから廃棄物問題を勉強する人々にとって最高の指導書となるであろう。 1996年4月 福岡大学大学院工学研究科科長・教授 廃棄物学会会長 花嶋 正孝
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